3丁目のタルタル

FF11関連の記事を中心にお届けしています。

MMORPGで起きた怖い話

今回の記事は、以前私がアメブロをやっていた頃にネタ記事として下書きで保存していたものです。

このデータは、途中アメーバOwndを経由してこちらのはてなブログまで引き継いできてはいたものの永らくお蔵入りとなっていました。

今回データ整理を行なったときに改めてこの記事と再会し、公開という運びになった次第です。

大した話ではありませんが、お時間がありましたらぜひ。

 

注) この出来事は現在も未解決であるため、結論としては着地点の無い話となっています

注) FF11の事がわからない方でも出来るだけわかるよう、詳細を記した箇所もあります

 

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私はMMORPGである「ファイナルファンタジー11」を、途中数度の休止を挟みつつかれこれ20年もの期間遊び続けてきました。

この20年間の中であの事件が起こったのはそのときの一度だけでした。

このことについては周りの友人らと話し合ったりもしましたが、結果的に原因や解決法は見当たらないまま現在に至っています。

 

ー 2010年の夏。

この頃は実装されたばかりの "アビセア" というコンテンツでのレベル上げやクエスト消化など、新規エリアでのあれこれを日々楽しんでいました。

また当時は "リンクシェル" (以下、LS)と呼ばれる、いわゆるギルドのようなコミュニティ団体に所属しており、その中の友人たちともよく遊んだりしていました。

 

事件が起こったのはそんなある日のこと。

私はその日もアビセアでレベル上げをやろうとログインして、チャット欄に流れる募集を物色していました。

その時、たまたま居合わせたLS内のお友達から言われました。

 

「昨日、カザム (あまり足を踏み入れない街エリア) で何してたん?」

 

たしかに昨日は一日のうち殆ど家に居たのでログインはしてましたが、カザムに行った記憶がありません。

 

「昨日?カザム?

…いやぁ…行ってないと思うけど…」

「あれ?LSリストで見かけた気がしてたんだけどw」

「見間違いじゃないの?w」

 

聞いたところその友達は当時レベル上げ中だったようで私に話しかけたりはしていなかったようですが、ふとLSのリストを見たら私がカザムにいるという表示がされていた、との事でした。

 

しかし互いに記憶が曖昧で、気のせいだろうということで片付けようとしていた時です。

 

「そういえばいつ頃だった?」

「夜の7時ごろかなあ」

 

この時間帯を聞いた時、私は戦慄しました。

 

「その時間帯は外出してたんだが…」

「なんだって」

 

この頃から互いにある疑惑に気付き始めていました。

 

不正アクセス

 

他人のIDやパスワードを不正に入手し、それを利用して本来の持ち主に危害を与える行為です。

 

「それって、やばいやつじゃね?」

「だよねえ…

運営に通報した方がいいんだろうか」

「いやまずは被害状況を確認した方が。あとパス変更とかもした方がいいと思う」

「あーそうだね」

 

ということで、まずは自分の持ち物を確認しました。

この時はだいたい自分が何を (主に入手困難な高額品やレアアイテム) 持っていたか把握していたので精査は容易でした。

 

「特になくなってるアイテムは無いらしい」

 

次に外出する前のログアウト時、そして次にログインした時の状況の変化を聞かれました。

ところが、どちらも記憶が正しければ同じ状況。

つまり同エリアで同じ場所にいた、というのが私の認識でした。

 

と、ここでまた別のLSメイトがログインしてきました。

 

「やっほー」

一同「やっほー」

「メリーさんがヤバいことになってるw」

「え、どしたん?」

不正アクセスの疑い…w」

「なんだって」

 

そこからはこの二人から質問の嵐でした。

本当にその時間帯ログインしていなかったのか。

本当にアウト時と次イン時の状況は一緒だったのか。

本当にお金もアイテムも無くなっていないのか。

などなど。

 

もちろん不正アクセスを証明するための質疑応答でしたが、やはり結果は同じで疑惑のままストップしている状態でした。

 

次に私が行ったのはパスワード変更でした。

 

「とりあえずパスは変えたから大丈夫だとは思うけど…何だったんだろうね」

「まさかとは思うけど…」

「ん?」

ドッペルゲンガーでもいるんじゃね?」

一同「www」

 

冗談で言ってたってのは重々理解してはいたんですが、もしかしたら本当にそれなんじゃないかと思えるほど怪しい点が見当たらなかったんです。

唯一、あの日あの時、居ないはずの私がカザムに居たという事実以外は…。

 

ここから私を含めたこの3人で探偵ごっこが始まりました。

 

仮説1:ゲームのバグ

「あの時居なかったというのは確実なんだよね?」

「だからそう言ってんじゃんw」

「じゃああの時バグが生じてメリーさんがカザムに居るって表示されたってことか」

「つまり不具合ってことね」

「そゆこと」

「前からこのゲームってバグはよくあるけど

、このタイプは流石に聞いたことないなw」

「まあ仮説だしねw」

 

仮説2:不正アクセス

「状況証拠的にはやっぱり不正アクセスが濃厚なんだよね」

「そうだよねえ、まず最初に疑ったのもそれだし」

「でもそれ以外は特に怪しい点が無かったんでしょう?」

「そうだねえ」

 

仮説3:記憶違い

「メリーさんの記憶違いってことは?」

「疑うとしたらそこだよねw」

「ひどいw

話しながら思い出してきてたけどやっぱり記憶違いって線は無いと思うんだよねえ…」

「ほんとにそう言える?」

「うん、言える。たぶん。うん、言える。」

「信用できねえ」

「wwww」

 

仮説4:ドッペルゲンガー

「まあ…無いとは思うけど…」

「あったらあったで面白いよねこれは」

「面白いとは思うけど、これって出会ったら死ぬんじゃ?w」

「それがどっちの意味かってとこが肝」

「というと?」

FF11での "死" なのか、もしくは…」

「やめろwww」

 

仮説5:時差

実は最初に話しかけてきてた友人はアメリカ在住の日本人だったので、私を見かけた時間帯というのが彼の時差による間違いだったんじゃ無いかって話。

 

「いや、無い」

「信用できねえ」

「wwwww」

 

以上の仮説を立てて話し合っても結局結論は出ず、最終的には『記憶違い』ということで決着にならない決着がついた結果となりました。

 

不服ですが。

 

ただ、やはり記憶を真剣に辿っても

居なかったはずの時間帯にカザムに居たということは確実みたいなので、これが解決できない限りこの事件は未解決となってしまいます。

 

以降しばらくはこのLS内でこの出来事が話題となり、LSメイトからは

ドッペルゲンガーを探しに行こう!」とか

「昨日はテメナスに居たよね?」とか

※もちろん私がいない時間帯で、あえてネタとして切り出した話

次第にいじられる話として語り継がれ、あれから数年、私を含め引退や休止者が相次いでこのLSは消滅。

現在に至っています。

 

今となっては思い出になってしまっていますが、時折思い出してはなんだったんだろうと考えるばかり。

当時ですら曖昧な記憶を辿りながら話し合っていたので今に至ってはもうまったく詳細を思い出せません。ただ…

 

「備え大事に」

 

これですね。

たぶんみんな内心では不正アクセスが濃厚だと考えていたはずです。

実際にあの後パス変更をメンバーもやっていたと記憶している (そこはなぜか覚えている) ので、何も被害はなかったけど警戒心を養えた謎事件というで私の中でもそっ閉じしました。

 

 

…以上、昔起きたホラーな話でした。

覚えてる限りを尽くして書いていますが完全再現とまではいきませんでした。